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オーディオについて思うこと

私が物心ついた時には、既にオーディオに囲まれた生活の中に居た。

父親がオーディオの技術者であった事が最大の理由であるわけだが、母親の音楽好きも手伝っていたことは確かである。
部屋の中のかなりの部分を占めていたオーディオのセットが、毎日の生活の中でテレビよりも大きな存在であった。
その頃のテレビというのは、白黒のブラウン管テレビであったわけだが、それに電源を入れている時間というのは、
一日の中でも限られた時間でしかなかった。結局、オーディオで音楽を聴こうと思うとテレビは邪魔な存在となっていた。

今では「音楽を聴こう」と思うと、パソコンやスマホでYoutubeを観るとか、好きなミュージシャンの曲に関しては、
CDプレーヤーで聴く(といっても、パソコンに付いているCDドライブに入れて、それをヘッドフォンもしくはイアフォンで聴くこと)が普通になり、スピーカーから音を出して聴くという行為に、なかなかならない状況というのがある。
これは、一つの狭い空間に、複数の人が同居している場合には当然のごとく、一人にだけ聞こえる環境にするのがマナーといった事から、そうなるのは必然なんだろう。

幼いころに味わった感動は、その音楽だけの力ではなかったように思う。
要するに、スピーカーから出てくるフルスケールの音に心が動いたように思う。

音楽を聴いて感動したり、気持ちが穏やかになったり興奮したりすることは、今のヘッドフォン、イアフォンから流れてくる音楽とは、また違った世界であるように感じる。

1980年代に、CDが発明されて一斉に今までのレコードを淘汰する方向へ流れて行った。
音質に関して言えば、その時代のデジタル信号をアナログに変換する、いわゆるDAコンバータの善し悪しによって、随分と音が違うこともあった。それは、アナログレコードで言えば、針先の音の違いやアンプに搭載されていたPHONOイコライザーの違いといったたぐいに近いものだと認識していたが、この20年以上の時の経過で、DAコンバータがどんどん進化していったおかげもあって、より良質の再生が可能となったように思う。
CDが普及したおかげで、大変便利になったことは確かで、その上、あの大きなLPジャケットを保存するスペースが、4分の1に縮小できるサイズとなった。

実は、そのことがオーディオそのものの衰退を招いて行くプロローグであったように思う。
大がかりな装置は、今や必要がなくなっている上に、レコードをプレーヤーにセットし、綺麗にゴミを拭き取り、
針をミゾに乗せて、アンプのボリュームを上げていく。そして大きなスピーカーから感動的な音楽が流れてくる。
それを体で聴くことが、オーディオの醍醐味だった。その「お作法」的な部分が全く必要なくなったわけだ。

アンプが温まってくると、より良く低域も伸び、高域の美しさが光ってくる。
Jazzを聴くときは、この針が良いなあとか、クラシックは断然こっちの針だとか、そこで、オーディオメーカーの意気込みを感じたり、感動を味わったりした。その一連ことを束ねて、「オーディオを楽しむ」事であったと思う。
今後は、「その昔、オーディオっていうのがあってね・・・」という話をする時代になるんだろうか。
それだけではなく、生まれた時からパソコンやスマホに囲まれた環境で育った人たちには、改めて必要性を感じないものになっているのかもしれない。

かなり寂しい気持ちだ。

体で感じるフルスケールの音楽に浸る時間を、今の人たちにもぜひ味わったもらいたい。
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